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2004/04/06(TUE) 『ペレイラのいた風景』 今 三郎

 ペレイラ。94年川崎ヴェルディでJリーグMVPに輝いた、その彼がかつてコンサドーレにいた。DFとして堅実、相手のセンタリングをカバーするテクニック、物静かで常に冷静なプレーもさることながら、印象に残ったのは孤独なフリーキックの姿だった。

 札幌に移転した直後のコンサには、ペレイラも含めアルシンドなどスタープレーヤーもいたが、はっきりいってチームとしての形はまだまだだった。コーナー、フリーキックからのセットプレーも連携、練習不足からか、型を持っていなかった。いきおい試合は劣勢を強いられる。そうして、試合中に得たフリーキックのチャンスは、常に相手に追いつかなければならない切羽詰まった状況となった。

 その時、静かに進み出てボールを一回二回と手前に回し、地面にセットするのは、ペレイラだった。周囲の選手とのコンビネーションを期待できない孤独感が彼を包む。同時に自分がそのフリーキックをゴールする、という静かな闘志と。いつもペレイラは孤高だった。

 フリーキックは相手の壁に阻まれた。ゴールの枠を外れた。もちろん決まったこともあったが、ペレイラは常にゴールを狙った。たった一人で。チーム黎明期の象徴的な姿だった。

 今年のコンサにペレイラはいない。それは、スターとして、と、孤独なエースとして、という二つの意味で。かわりにぼく達は見た。若きイレブンがピッチをいきいきと疾走する姿だ。孤独なエースはもういない。未来の山瀬が、今野が、札幌ドームにいた。

 Take it easy. 気楽にやろうよ。コンサとの1年は始まったばかりだ。勝つこともある、負けることもある。そんときは、そんとき。でもぼくら開幕の札幌ドームに集まった1万8000人がいる。

 まあ、今年は外野というか、内野もある、野球が何やらにぎやかだが、それはそれでいいじゃない。コンサとの1年がまた始まった。それは、来年も再来年も、コンサの世界があることに変わりはない。

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