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2005/02/28(MON) 『プラス1の頑張りを』 笹田 啓子

  応援のことを考えるとき、ここしばらく頭の中にひっそり鎮座してる言葉がある。
 チームが出来て最初の年だったか、2年目だったか。そのぐらいの時期のこと。
 厚別が「ホーム不敗神話」なんてものを持っていた頃。
 ホームでの応援について、当時在籍した選手の言葉。

 「もう走れない。もうダメだ。と思った時に、もう一度頑張れる力。それをサポーターの応援からもらっています」

 一字一句間違わずに覚えているわけではないけど、趣旨は外れてない…と思う。
 2年目はともかく、1年目の札幌は、当時のJFLの中で確かに華やかな補強をして始まっていたけれど、かといって抜きん出た実力を持っていたわけでもなく、どちらかといえばギリギリの勝ちをホームで拾っていた。勝つか負けるか実力そのものは拮抗、どちらに転んでもおかしくないものを、厚別ではしっかりと拾えていた。その年のJ昇格は成らなかったけれど、JFL全16チーム中5位。当時のJFLが昇格志向・アマ志向のチーム混在の時代だったとはいえ、J2全12チーム中12位だった昨年の札幌から見れば、それは十分に眩しい成績であり。

 今そのときのことを思い出すのは、何も「昔はよかった」的懐古趣味からではなく、今年、2005年こそ、前出の選手が言ったような「もうダメだと思った時に再び頑張れる力」を選手から引き出すような、そんな応援が必要とされる年になるんじゃないかと思うから。

 去年暮れから今年キャンプまでの流れ。
 今年に関しては実際に自分の目で見て来れてはいないけど、天皇杯から今年の練習試合までの結果から考えるに、J2の中で抜きん出て力が足りないということは、たぶんない。監督も言っているように、たぶん守備の面ではそこそこの結果を出すだろう。けれどJ2の中で頭ひとつ出たチームでもない。どことやっても恐らくイーブン。0−0か、1−1。2−2…は、ないかな。ともあれ大きく差をつけられることも、差をつけることもない。それが開幕直前の現時点での札幌の基盤の力ではないかと漠然と感じている。

 もちろんそれはあくまで基礎的な力の話で、実際にリーグ戦が始まれば、プラス1やマイナス1は自分達の調子・チーム状況、或いは相手のそれらとの兼ね合いで幾らも変動していく。1点差でなんとか勝ち続けられるときもあるかもしれないし、逆に1点差で勝てないときも続くかもしれない。そこで常にプラス1の力を持てるようになれば、今年の終わりには私達が今望むような成績をきっと収めている。

 プラス1の頑張りをチームの結果に得るには、選手個々の頑張りや成長なしにはありえない。けれど、選手だけの頑張りを期待するだけなら、私達がサポーターと名乗っている意味はない。12番目の背番号を背負う意味もない。ゴール裏に陣取る価値もない。

 0−1の試合を1−1に。0−0の試合を1−0に。
 勝ち点のひとつでも、得点の僅かひとつでも諦めてはいけない。
 昨日までは走れなかったその先の一歩を、選手に踏み出させる力を引き出すために、応援はあっていい。無理だろ、駄目だろ。そんな期待値の低い言葉じゃ今年のシーズンは変われない。

 去年まではプラス1ぐらいの頑張りじゃどうにもならない部分が確かにあった。ただ見守るしかない部分は確かにあった。今年そこからチームが飛躍的に成長しているわけでは、まだなくて。チームはまだまだ下手かもしれない。拙いかもしれない。だけどそれを諦観している時期では、今年はもうない。ただ立ち尽くしてる時期じゃない。そう静かに湧き上がる思いがある。

 強く声を出したい。大きく手を振りたい。札幌というチームへの思いを、強く強くぶつけたい。今年こそ、結果を手にしたい。点を取られてほしくない。点を取ってほしい。勝ってほしい。相手チームに対して以上に、ここ数年下を向いていることの多かった自分達---選手もサポーターも関わる全ての人達---に、なによりも勝ちたい。

 10度目の開幕。その年に選手、スタッフ、サポーター。一丸となって得る勝利こそがこの記念すべきシーズンに相応しいはずだ。昨日まで踏み出せなかった一歩を、出すのは今!

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